プラハ国立歌劇場の「魔笛」を横須賀芸術劇場に見に行って来た。よく知っているオペラで価格も割安で楽しめた。以下に感想も交え記載する。
横須賀芸術劇場の場所、行き方
京浜急行「汐入駅」から徒歩5分程度と便利ではあるが、ただ、急行が止まらないので、横浜方面から行く場合、「金沢八景駅」で普通に乗り換えなければならないのが、欠点である。
オペラ仕様の横須賀芸術劇場
横須賀芸術劇場はヨーロッパでのオペラ公演の写真でよく見かけるような馬蹄形の平土間席の客席に4層のバルコニーが囲む本格的なオペラハウス仕様の劇場である。

以前、楽屋を見学したことがあるが、その舞台の広さにに驚いた。鑑賞する舞台の横にそれと同じ広さの舞台が左右に二つある。要するに三つの舞台を事前に設置しておけるということである。 当然オーケストラ‐ピットもある。楽屋も広く、鏡付きの部屋が幾つもあった。

プラハ国立歌劇場の「魔笛」の感想
以前からここで一度オペラを見たいと思っていた。今回、プラハ国立歌劇場の「魔笛」の公演が横須賀芸術劇場であると知り、早速見に行った次第である。
今回の公演では、数本の柱と奥の方に階段を設けた舞台が一つだけで、途中に、上からぶら下げられた装飾品を取り替え、場面を変化させており、舞台装置ではかなりコストを削減していた感じである。また、舞台そのものを変えるということはなかった。横須賀芸術劇場の設備をフルに活用した大掛かりなオペラを早く見たいものである。もっとも、そのような大掛かりな公演になると入場料が跳ね上がり、我々が気楽に見に行けなくなる公演になる恐れがある。
プラハ国立歌劇場の今回の公演巡業ではエリカ・ミクローシャが歌う「夜の女王」が目玉のようだが、横須賀芸術劇場では残念ながら出演しなかった。
「魔笛」はオペラの中で一番好きな作品で、どのアリアも聞き覚えがある。「夜の女王」のアリアも良いが、道化役の鳥刺しパパゲーノの軽快なアリアが特に好きである。
オペラは殆どCDしか聴かないので、配役の出来不出来を評価することは出来ないが、感覚的には全員普通の出来より良かったのでないかと思う。特に感心することもなかったが、これは駄目だと思うこともなかった。その中で敢えて選ぶとすれば、キャストには記載されていない童子の合唱で、その透き通つた声には心を惹かれた。また、舞台ではバレエダンサーの踊りが簡素な舞台に花を添えていた。日本の子供達もパパゲーナ、パアゲーノの子供として楽しく踊っていた。
まとめ
プラハ国立歌劇場の魔笛は要するに比較的安い価格で気楽に楽しめるということ。プラハの人々もいろいろなキャストのオペラを見て、批評しながら楽しんでいるのでなかろうか。オペラが日本で根付くためには、価格を安くして、公演回数を増やし、手軽に見に行ける環境が必要である。今回のプラハ国立歌劇場の巡業も公演回数が多く、ヨーロッパの公演に近づけたものとして評価する。