笠森寺

大悲山 笠森寺(笠森観音)

笠森寺は坂東三十三観音霊場の中でもユニークな寺院である。観音堂が突き出した岩の上に構築されており、独特の景観を持っている。重要文化財に指定されている。世間から笠森観音として親しまれている。周囲は自然豊かなところで、見学する価値はある。

笠森寺観音堂の全景
笠森寺観音堂の全景

笠森寺について

笠森寺(かさもりじ)は千葉県にある天台宗延暦寺派の寺院である。山号は大悲山、本尊は十一面観世音菩薩、開基は伝教大師最澄。坂東三十三観音霊場の第三十一番札所となっている。世間からは笠森観音として親しまれている。
笠森寺の創建については奈良時代の延暦3年に天台宗の開祖として有名な伝教大師最澄が東国を行脚しているとき、尾野上の山で楠の根に小さな十一面観音像がはめ込まれているのを見つけ、法の導きを感じて楠の木に2.2メートルの十一面観世音菩薩を刻み山上に安置したのが始まりとされている。
その後、最澄は延暦25年に比叡山延暦寺を拠点にして天台宗を開いている。延暦寺は多くの僧が学び、浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞、臨済宗の開祖栄西、曹洞宗の開祖道元、日蓮宗の開祖日蓮など数々の名僧を輩出したことで、「日本仏教の母山」といわれている。

笠森寺付近の地図

住 所:千葉県長生郡長南町笠森302
自動車で行く場合は409号から少し入ったところに大きな駐車場がある。笠森寺は駐車場から10分程度山道を登った高台にある。
交通機関を利用するときはJR外房線 茂原駅と小湊鉄道上総牛久駅が起点になる。この二つを結んでいる小湊鉄道のバスがあり、「笠森」で下車して徒歩10分であるが、バスの本数が少ないので、注意が必要である。

観音堂の建物について

笠森寺の観音堂は平安時代の長元元年に後一条天皇の勅願により建立されたとされている。その時に建設された観音堂は既に焼失しており、現在の観音堂は戦国時代の文禄年間に再建されたものである。
観音堂は山の上の大きな岩に61本の柱を構築して建物を支えている四方懸造と呼ばれる建築様式の建物である。この様式は日本で一つしかない珍しい建物とのことであるが、京都の清水寺を小型にしたような雰囲気である。。

笠森寺観音堂の柱
笠森寺観音堂の柱

この建物は明治41年に一度国宝の指定を受けているが、当時は「国宝」と「重要文化財」の区別がなく、国指定の有形文化財はすべて「国宝」とされていた。昭和25年の「文化財保護法」の制定により、笠森寺の観音堂は重要文化財の扱いとなっている。
観音堂は参拝する時は当然として、納経印をもらう場合も75段の階段を登らなければならない。なお、観音堂に登るのは有料で、階段を登り切ったところに窓口がある。

笠森寺の階段
笠森寺の階段

観音堂からの見晴らしは良いのであるが、周囲は自然豊かなところで、大きな町もないので、眺めは単純である。

笠森寺付近の自然

笠森観音の周辺は自然豊かなところで、周辺の山々は「県立笠森鶴舞自然公園」に指定されている。笠森寺周辺の林は創建当時から伐採が禁止され、現在は笠森寺自然林としては天然記念物に指定されている。

三本杉

駐車場から笠森寺に参拝する山道の途中に三本杉と言われる珍しい杉の木がある。これは写真で分かるとおり、上の方は3本の杉なのであるが、根本がつながっている珍しい杉である。

三本杉の根元に注目
三本杉の根元に注目

県立笠森鶴舞自然公園の散策

笠森寺の観音堂の裏側のほうから周囲を散策できる道があり、別のルートで駐車場に戻ることができる。途中には展望台もあるが、あまり視界はよくない。駐車場の近くには池もある。

笠森鶴舞自然公園
笠森鶴舞自然公園

 

笠森寺の納経印

納経印は観音堂の上でもらう。階段を登ったところの受付窓口がある。また、本堂の参拝する場所からも依頼できるようになっている。納経帳は帰るときに受付のところで返してもらえる。

笠森寺納経印
笠森寺納経印