この曲はバッハの青年時代の作品で葬儀のとき演奏されたカンタータのようです。伴奏はリコーダーとビオラダ・ガンバと地味な楽器が主ですが、葬儀という静かで精神性の高い雰囲気にマッチしていると思います。

また、音量が小さいリコーダーを活かす工夫や曲想の転換などに優れ、教会カンタータの中でも屈指の名曲となっています。余談ですが、この曲を聴いてリコーダーの良さを認識し、リコーダーを習いだすきっかけとなった作品です。

YouTubeにもいろいろな指揮者の演奏が登録されていますが、私が持っている Karl Richter版の演奏で。

各曲の感想

第1曲ソナティナ。静寂の中からビオラダ・ガンバの低音のメロディーが静かに奏でられる。この出だしを聴いただけで、この曲の虜になる。これにリコーダーの素朴な二重奏が加わり、しみじみととした雰囲気を漂わせ魅力的な曲となっている。

第2曲合唱。合唱は静かな曲から一転して、天国から降りそそぐような哀愁を帯びた合唱となる。この転換が素晴らしい。伴奏はリコーダーとビオラダ・ガンバと目立たない楽器だけであるが、リコーダーを演奏するときは合唱を休止して、楽器を引き立つように工夫されている。

第3曲アリオーソ(テノール)。リコーダーの静かで、哀愁に満ちた前奏で始まり、これに続き、嘆き悲しむようなテノールのアリオーソが加わる。

第4曲アリア(バス)。アルトからバトンタッチされるようにバスのアリアとなる。伴奏はリコーダーとビオラダ・ガンバ。テンポが早くなり軽快な感じになるが、まだ暗さの残った雰囲気である。

第5曲合唱とアリオーソ(ソプラノ、コラールはリコーダー)。出だしは合唱、途中からソプラノだけがアリオーソの合唱となり、リコーダーがコラールのメロディーを奏でる。

第6曲アリア(アルト)。通奏低音だけの伴奏にアルトのアリアが歌う。なかなか良い曲である。

第7曲アリオーソ(バス)と合唱。前曲のアルトに続きバスがアリオーソを歌う。これだけでは普通のアリオーソであるが、途中からバックにコラールのゆったりとした天使のようなソプラノ合唱が加わり、非常に印象的な曲に変化する。途中から合唱だけとなる。

第8曲合唱。カンタータを締め締め括るこの曲はコーダーだけの静かな前奏で始まる。直ぐに堂々とした力強い合唱が加わる。この曲だけは哀愁を帯びた雰囲気から明るさのある雰囲気に変化する。合唱が加わるとリコーダーの音色はかき消されるが、時折、合唱が途切れるので、リコーダーと合唱の掛け合いのようになる。後半は合唱のテンポが軽快になり各パートの掛け合いのような合唱となる。最後はリコーダーが全曲を締めくくる。

伴奏は弦合奏、リコーダー、ビオラダ・ガンバ、通奏低音、演奏時間は約22分